久しぶりの更新。
書かないで過ごしていると書くのが何だかとっても億劫~♪
でも今回は書こうと思った。
お婆の気まぐれ・・・
この日は来年の成人式の写真の前撮りがあった。
このお客様は和装組曲のHPの創作帯を見て
「何としても成人式にはこの帯結びをして欲しい」
とうちに来てくださった方である。
最初の言葉が
「HPの『白薔薇』の結びを成人式に結んでほしいので着物のレンタル業者さんに一緒に行って着物を選んでほしい」と。
和装組曲をオープンさせた時は請われるままに何人でも受け付けていた。
多い時は朝の三時あたりからお客様を迎えていたのだが、ある時に流れ作業に嫌気がさした。で、一組か二組のお客様限定にしてその方々だけに丁寧で記念に残る着せ付けをしていこうと決めた。
だからお客様の持ち込む振袖や帯を見てからその方の雰囲気や周りの家族の意向を考えて帯結びを考えていった。それが又とても楽しかった。結婚式ですら人生で2度や3度あるご時世。成人式はたった一度きり。本当に美しく輝く若さやその方の個性がどこかにキラリと光るそんな着せ付けをしたかった。振袖を用意してくださった親御さんの意向も大切であるのは勿論である。
だから最近では成人式の日でもアタフタしないできちんとお客様と向き合えるのが嬉しかった。勿論一組や二組に限定してからは収入も決して多くはないのだが、それはちっとも構わないと自分では考えていた。寧ろ自分の年齢を考えた時、より充足感のある仕事を選びたかったのである。
しかし、今回の様にレンタル業者まで一緒に行ってくれと言う申し出は流石に初めて。
真っ白の薔薇を背中に結ぶとしたら何色の着物が良いか…
その親娘と共に色々見て・・・というのは予算もある・・・出来るだけコストも抑えてあげたかったので・・・決めた。
白い薔薇・・・やはり着物の地色は真っ青な空にしよう・・と決まった。
本人のご希望により柄のない出来るだけさっぱりした着物・・となる。
レンタル業者でセットになってついて来る小物は何となく本人の雰囲気に合わないので小物関係は全てこちらに任せてもらった。何年も前にショーをやっているので小物には事欠かない。
今回は前撮りなのでカメラマンさんが左斜め前から左の肩ごしに撮るショットで作り込んだ。勿論当日は違う角度から、多分真後ろからの帯結びとなる。
初めは本人とっても緊張~♪
ヘアや髪飾りは私の領分ではないので触れない。
段々リラックス。
やっと笑顔もチラリ…
やはりどんな方も自然に笑った顔は美しい。
生まれた時の色んなことから20年。
成人式を迎えられるとは夢にも考えていなかったというお母さんの感無量の声にこちらまで目頭が熱くなる。お母さんも過酷な宿命の中で生きて来られたに違いない。
皆、山あり川あり。深い谷さえも幾つもあったに違いない。
すくすくと育つ方もあるかもしれないが大抵は人生の大波小波に溺れそうになりながらの幾年月である。生まれた時からの大病を乗り越えての晴れの成人式なのだろう。
老舗料亭での前撮りとかで親娘はこのあと晴れやかに出かけられた。
大切な思い出に参加させていただき本当にありがとうございました。
これからの人生に幸あれ…と祈っています。
来年の本番の成人式まで私ももっとこの結びを結びこんでおきますね。
さて・・・最近読んで面白かった本・・二冊を。
先ずは琵琶教室の方向けに佐宮圭さんの「さわり」
これは随分前に一度図書館から借りて読んでいた本なのだが、今回琵琶の生徒さんから紹介された。
しかも内容をほとんど覚えていなかったのでもう一度のトライ。
鶴田錦史さんの話であるが兎に角面白い。琵琶を学んでいる方には含蓄のある言葉が一杯。例えば、洋楽の一音は単に正確な一音に過ぎぬが、琵琶の一音には宇宙がある・・・という一文など。琵琶のたった一音に魅せられたものとしては是非お勧め。
もう一冊は高橋治さんの「星の衣」
これはブログ友のnoirさんが私のコメント欄でご紹介下さった。
コメント欄に書かれた言葉を仇や疎かにしてはならぬ・・・
直ぐに手に入れその日に一晩で読んだ。
随所に沖縄の織物やその歴史的な背景がちりばめられていて着物を勉強する人にはとってもgood。本の表紙が中味とそぐわないのが気に入らぬが、内容は面白い。
特に私の印象深い所は八重山上布の柔らかさは沖縄の人たちの食べ物にある…と言う所。それは苧麻を績(う)む時につける女性たちの「唾」が違うと。又「海晒し」という海水のオゾンを利用しての漂白行程があるのだが、新潟の「雪晒し」と絡んで昔から自然を利用して無理なく美しい織物を作った人々の知恵に今更ながら感動した。
実に興味深く面白かった。とっても勉強になった。着物を勉強する方には是非…
和装組曲の書架に備えておきますので興味のある方はどうぞ~♪
では・・・またねん~♪♪♪