琵琶床という言葉を初めて知ったのは丹後の尾藤家に見学に行ったときである。尾藤家の見学は何回か書いているのだが、琵琶床の写真はここに出している。 ↓ ↓
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本当の床の間の横に半間の琵琶専用の床の間が付いていた。
薩摩琵琶は無念の内に亡くなっていかれた方々への惻隠の情を語るものであり、戦のない時でも武士達の戦意を鼓舞したり、悔いのない日常を送るための精神性の高い趣味でもあった。
武士の家ではその保存場所として琵琶専用の床の間が設けられていたようである。
勿論勇ましい謡ばかりではなく、魑魅魍魎を謡ったり、無念や慙愧に堪えぬ謡もある。で、あるからして床の間には魔を避けるための様々な工夫が施されていた。丹後の尾藤家では琵琶床の柱は「松竹梅」の目出度い木材でその空間が飾られていた。
人は恐ろしい物には恐ろしいもので避けようとして嘗ては男性の羽裏などは凄まじい地獄絵図や竜虎の勇ましいものなどで自分の背中を魔から守っていた歴史もあった。又家紋を入れることでその代わりをしていた時代もあったようだ。
さてさて・・・わが琵琶教室・・・こういう風に模様替えした。
新しく琵琶床を作ってみた。雰囲気だけ・・・(笑)
今までここにはタンスがあった。(笑)
着せ付け用の衣装や貸し出し用の衣装が入っていたのだが移動した。
で、新たにこの空間を利用。
床には緋毛氈を敷き魔除け。その上には松竹梅の帯を敷く。
琵琶の前にあるのは輪島塗の盃。お酒が入っているわけではない。
琵琶が乾燥しないように水分を・・・という配慮。
琵琶の後ろにもたっぷり水分を朱器に備えておく。
年数の経った琵琶はまず割れが入ることはないのだが、新しい木材はしばらくは気を使ってあげないといけない。割れてから何を言っても始まらない。
今まで十年間使っていた片桑の琵琶。
撥は楓。よくご奉公してくれ感謝。
これは亡くなった先輩の琵琶を譲り受けたもの。
総桑。撥は黒柿。
ただ総桑でも本州の地桑を使用していて若干音は軽めである。
現在は琵琶を持っていない生徒さんが教室で使用している。
今私が使っている琵琶。撥は柘植。
島桑の総桑。島桑は御蔵島という場所で生育した桑で一番いい音が出る。
まだ今は今まで使っていた琵琶の方がシックリした音が出る。新しい琵琶は何処と無しに若い音である。勿論私の腕が未熟なのでそれは今後に期待しよう。
表も裏も島桑で、表面が酸化されて黒くなっていく途中で黒い縞模様となるのが島桑の特徴。
そして現在日々練習しているのがこの曲
来年の演奏会で弾き語り予定。
一年かけて悔いのないように謡いこんでいく。
日々死に物狂いで頑張る所存。
六人の生徒さん方・・・・
来年の演奏会用の各人の曲がほぼ決まったようなので
互いに頑張るまいか~♪♪♪
一年後・・・笑って演奏会を終わるために。
出来ることは全てやって一年間を過ごせるようにどうしたらよいかを各人で考えてくだされ。皆・・・大人。私はこれ以上は言わない。
『琵琶は元来簡単なる構造の中に無限の妙音を含み、
歌は能く宇宙の深遠なる道理を悟らしめ、
飽くまで精神修養を計る一助となす』
★ ☆~各人の健闘を祈る~☆ ★