東京東支部の温習会へ行ってきた。
実は幾つかその前後に済ませておきたかった用事があったので東京へ行ってきたので。
用事の方はいつでも良かったのだが折角の機会なので、東京東支部の演奏会の日に合わせたというわけだ。
「仕事が後回しかよ?」
そう・・私はいつだって「よこしまな女」。(笑)
趣味が仕事~、仕事が趣味~♪
去年、古澤会長初め4~5人の方が金沢の鳴和の滝に来て演奏くださっていた。
「鳴和の滝」についてはここにほんの少しだが書いている。参考に。
その時に聞いた「勧進帳」の掛け合いが余りに素晴らしくて、私の記憶に深く刻まれていたのでもう一度聞いてみたいと以前からどこかで演奏されるなら…と注意を払ってもいたのだ。
そんなこんなで今年遂に実現。
しかも・・
錦心流琵琶全国一水会会長とのツーショット・・・・
本来なら私ごときがおいそれと近くに行くことなどできない御方であるが、
そこはそれ・・・私の事・・・ずうずうしくも厚かましく・・・会長に考える隙も与えず写真に入ってもらう。
どんな時も決めたら早い事・・早い事~・・・。。。。(笑)
そう、次の機会などと言っていたらもう死んで雲龍柳はこの世にいないかもしれぬ。どんな時も思った時がご縁の時。墓の下で後悔して何になる。
しかも会長は何処までも人格者。
にこやかに笑って付き合ってくださる。
全国の女性琵琶人をこの時点で全て敵に回したかもしれぬ。
そして間髪入れず、勧進帳の若いメンバーの方々とも・・・
更に更に敵を何処までも増やしたかもしれぬ。
もう一人いらしたメンバーはこの日はお休み。
一人平均年齢をグッと極地迄上げる雲龍柳ではあるが、それは知らぬ顔の半兵衛を決め込む。高齢者であることはどんな時でもおくびにも出さないのだ。さも皆さんと大差ないような「振り」。そう、人間気持ちが大切。ほとんど気持ちだけで生きている私であるからして。
この日の演奏者の方々・・・
若いお嬢さん…堂々としていなさる。
着物は小紋。写真からは分からないが帯揚げの黄緑色が何とも爽やかだった。
そして・・
人生の酸いも甘いも知り尽くした方。
ちょっと写真では分かりにくいのだが家紋は「五瓜に沢瀉」(ごうりにおもだか)ではないかと見た。
珍しい家紋。
この方は何だか川中美幸に似ている。
物凄く熱唱。熱演。
着物は訪問着。
この方は独特の雰囲気。
言葉を交わす機会もなかったが又いつか・・きっと。
家紋は「丸に違い鷹の羽」
鷹は俊敏で勇猛な性格なのでかつては武家に好まれた紋。
次の二人は難しい掛け合いで「川中島」
どちらも肝っ玉の据わった姐さん方だった。
そして
勧進帳の掛け合いのメンバーと琵琶演奏は会長。
折角なので少し解説。
家紋をアップしてみた。
「丸に橘」十大家紋の一つである。
香気と強い生命力を持ち邪気払いもあり、桃の節句には桃と共に飾られたりする。
着物は薄物、透ける素材。
時節としては六月十五日なので単衣でも透ける素材でもどちらでも可。
ちと分かり辛いが「右万字」
家紋の写真を撮るつもりなど全くなかったので全体像からアップして家紋を撮ったのでとても分かり辛くすんません。でも折角なので一言だけでも着付け教室らしく説明ぐらいはしておくかと突然ブログを書いていて思ってしまった。
ちなみに会長も「万字」紋だが・・
正しくは「左万字」
上の写真は袖の紋なので一瞬「隅立左万字」に見える。
が、上の私とのツーショットでの抱紋(胸の紋)はかたむきは無い。
インドで仏教に用いられ日本に伝えられたと言われている。日本ではお寺の記号に使われているがこの図形に込められている意味は「幸運福来」といわれている。
さてこのお奉行様のような立派な方の着物には抱き紋がない。抱き紋とは両胸の紋の事。では家紋のない着物かと言うとそうではない。先の私と一緒の四人で写っている着物の後ろ袖の家紋がかすかに見える。袖の後ろにあるという事は必ず背中にもある。だから三つ紋である。
以前書いている。
↓ ↓
「魔物は背から入る」と言われていて一つだけ紋を入れるとしたら背中である。三つ入れるとしたら背中と後ろの両袖である。五つ紋を入れるとしたら胸(抱き紋)を入れるのであるが、一つ例外がある。「背中と抱き紋」の三つというのがなくはないのだ。どんな場合かと言うと舞台に上がる方。舞台で見えるのが抱き紋なので後ろ両袖に入れる代わりに「背中と抱き紋」の三つの紋・・という形をとる。しかしこれは滅多にない例外ともいえる。
さて長くなりそうなので先を急ぐ。
着物に関することは話し出したらキリがない。
とても楽しいから。
この方は多分付け下げ。
当日話している時はお顔しか見てなかった。
今写真でまさか着物に触れるとは思ってもいなかったので。
女性の場合は付け下げや訪問着には好みもあるがあまり家紋を入れられない。何故かと言うと柄だけで格が分かるから。お茶をなさっていらしたら案外どんな着物にも家紋を入れられる方が多いのだが。もっとも当日は皆さんの着物を前や後ろからしげしげと見たわけではないので写真から想像するだけであるのだが。
この後のお二人はこの日のゲスト。
他県からの参加。
着物は訪問着。
迫力満点の弾き語りでした。
次の方は金沢で一度ゲストとしてお呼びしたことのある方。
この方の袴は他の方と少し違うのが分かるだろうか。
他の方はいわゆる仙台平の縞の袴である。
この方のは多分であるが「御召袴」かと思う。
お江戸は武家の社会なので仙台平、京都は御所があるお公家さんの世界なので仙台平はあまり使われない。
京都での結婚式ではほとんど「御召袴」
それが紋付の下にはく袴であることを知った時はな~るほどと思ったものである。
だから各おうちにあるタンスの中の袴にはそういう土地柄も色濃く残っているのではなかろうか。
そう思ってみるとこの方、何処となく雅に見える。
ちなみに「雅」というのは「宮振り」から来ている。
宮中を見て真似をする・・・御宮の振りをする・・から来ているとか。
ホンマかいな。
いつでも私は見てきたような嘘をつく(笑)
ちなみにこの知識は十二単の私の師匠京都高倉流会頭とお話をしていた時の話題からのもの。
心配な方はご自分で調べられたし。それに勝るものはない。
多分「下り藤」
おうちが「藤」にまつわる方なのかもしれぬ。
しかし、ここで一言。
本来家紋はそのおうちに伝わるものを使うのだが、昔と違い現在は案外自由。
自分で家紋を作るもよし、違うものを使うもよし。
どんな家紋でも使ってよいのだ。
ご自分の家紋が分からない方は墓を見られたし。
墓に家紋が付いているはず。最も最近では家紋の付いてない墓も増えてきている。
家紋をこのような染め抜き日向紋にすると着物の格は上がるし魔除けにもなると言われているので今回ちらりと触れてみた。自分の家紋とは別にお稽古事なのでその流派の紋を各自の紋付で揃えたい場合は「家紋シール」を貼る場合もある。
前回の沖縄三線の紋付には「抱き茗荷」の紋があったが、その方が言われるには三線の全国大会ではその流派のシールを(両面テープ付)自分の紋付の家紋の上に貼るそうである。
さてさて、演奏のとりはこの方・・
会長である。
私の一番好きなのはこの部分。
白い足袋である。
着物姿を一番引き締めてくれるのは「足袋」と「家紋」と「半襟」の白。
何ともキリリと恰好良い。
何時でも思うのは
「着物は女性より男性の方が凛々しく何処までも美しい」と。
会長はじめ東京東支部の皆さん、本当にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。
皆さんもいつでも金沢にいらして下さいね。
来年、特別大きな仕事が入らなければ又行きたいと思っています。
その時はどうぞよろしくお願いいたします。
さぁ・・~明日から又仕事しよっ~っと・・・☆★☆