以前のブログ「不治なるもの」を覚えていらっしゃるだろうか・・・
県外の方できもの検定対策講座を和装組曲に習いに来たいと希望された方を私が断った内容である。その方から久しぶりにメールを貰った。
> 死ぬ気で臨んだ一年だったが結果は又も準一級。
しかも前回と比べて一点しか上がっていなかった。
もう辞めようかな・・と思う。この辺が自分の限界。
というそんな内容だった。
そうか・・・まだ一級はクリアーはできていないんだ‥と思った。
電話してその辺の事情などを聴いてみた。
仕事がある。家庭もある。子供もいる。
当然優先順位が自分のことは最後となる。
一生懸命出来る時も有れば全く手つかずの日もある。
それでも出来る精一杯の事をやった一年だったに違いない。
それなのに一点しか増えていなかった。
力が抜けたのだろう。少し涙声にも聞こえた。
何といっても決めるのは本人である。
本人が力尽きたなら傍が何を言う必要がある。
辞めるなら辞めればいい。
自分で決断したのだ。
その方の生き方でもある。
私は何も言わなかった。
その日はそれで終わった。
しかし・・・夜寝ていて気になった。
寝返りを何度もうった。
彼女の気持ちが何処にあるのか考えてもみた。
きっと彼女は助けてほしいのかもしれない。
きっと勉強の仕方が悪いのかもしれない。
愚直なまでに素直に律儀に一生懸命丸暗記して格闘してきたにちがいない。
で・・・
次の日電話した。
「勉強のやり方が悪いのではない?」と。
「分かっているのです。でもどうやったらよいか分からない・・」と。
私の腹は決まった。
金沢まで通う?
一緒に最初からやってみる?
一月に一度位しか見てあげられないけどやってみる?
勉強の切り口を変えてみようよ。
自分で自分の限界を決めるのはやめようよ。
続けることが大事、と。
続けないと分からないことがあるし、案外そのことの方が大事。
「通います」という。
冷徹になり切れない自分がいる。
でも何とか力になって合格の嬉しさを味わわせたい自分もいる。
辞めるのはいつでもできる。
今辞めたら二度と挑戦はできないだろう。
やるか・・・やるしかないだろう。
自分も後悔したくなかった。
精一杯のことをしてあげたいと思うから。
県外のしかもよその着付け教室で学んだ方をみるなら、まずは自分の教室の方もみなければ片手落ちになる。で、一応一級を受ける資格のある二級保持者の方で現在も教室に出入りする方のみに連絡する。「一緒にしたい方おいで」と。無理にとはいわない。
明日から三人の方の一級受験対策講座を開講する。
三人の方以上に私の方が必死である。
一人の方の一級合格、二人の方の準一級合格・・・・それが目標。
更に二級を受ける方一人、
そして三級受験の方今のところ六人・・・・ひょっとしたら七人かも。(笑)
いよいよ始まる。
十一人の皆さん全員の顔に笑顔を開かせるよう雲龍柳の一年の決心。
琵琶教室も始まる。
思う事思うがままに成し遂げて
思うままなる人生を行け
はい、言われなくても行きますとも。
頑張るしかない。
忙しい一年が始まった~♪♪♪
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ところで先日「いろは会」の新年会が開催された。
皆さん素晴らしいコーディネートをされて参加。
着方も文句なしの美しい装い。
「お~っ!!!」
格調のある着姿に思わず声が漏れる。
一年かそこらでよくここまで頑張った。
凄い方々である。中々いないのが現状。
二月からは新規の方も増えて、今度は七人の「ゆめみ会」となる。
会場となった老舗料亭の女将からも称賛の声を頂いた。
「こんな着付け教室が金沢にあったんですね。」と。
「いゃあ~物凄く勉強させていただきました。感動しました。」と。
私の方こそありがとうございます。
山本一力氏の「かんじき飛脚」を読んでから、どうしてもこの老舗料亭で一度は会食したかった。長い歴史を持つこの老舗料亭でのひと時が、どれほどの感動を与えてくださったか。歴史の積み重ねは何とも貴重である。皆さんと、教室では決して体験できない貴重な時間を共有できた事をここに感謝いたします。