和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

琵琶演奏会終了〜♪♪♪

今年の錦心流定期琵琶演奏会が先日終了した。



沢山のご来場を頂きありがとうございました。

今年は受付のディスプレイを担当した。
今年のテーマは「伏籠」(ふせご)
着物に香を焚き染めるための道具。


      伏籠について知りたい方はこちら
         
 伏籠   http://d.hatena.ne.jp/umryuyanagi104/20130103/1357194915




着物をかけてあるので伏籠については分かり辛いが以前のブログを見てくだされば雰囲気は分かっていただけるかと思う。

ちなみに平安時代の死亡原因は一説には

1.疫病 
2.栄養失調
3.皮膚病

と言われ、それらが死に至る大きな要因だったのではなかったか、というのを聞き3の皮膚病の大きな要因である入浴の習慣がなかった事に焦点を当てた。お風呂と言うのは庶民の間に浸透したのが江戸時代と言われている。それ以前は風呂といっても蒸気の中での今でいうサウナに近いお風呂だったらしい。しかも平安時代に至っては体を拭くことによって清潔さを保っていたらしい。
もっとも地位の有る方々は防虫や抗菌、又防臭の為、衣服に香を焚き染めていた。

それで今回はそのころの香を焚き染める道具を忠実に再現したと言われている伏籠を展示。皆さんにお披露目。
本漆で螺鈿や金泥を駆使し、朱房で加飾されている。以前このブログでお披露目している我が和装組曲の品。

朱房を木目込み人形と共に・・・



私のこの日の衣装はグレーの霞柄の絽の付け下げ。
帯はつる草柄の金茶の夏袋帯
琵琶の曲は「琵琶塚」
静かなおとなしい曲。


生徒さんも駆けつけてくださる。
有難い。


折角来ていただいたのにお会いできなかった方々も何人かいたのを来場者名簿で後で知る。
ご挨拶できなくてすみません。裏方でバタバタ走っていたので。この場を借りてお詫びいたしますね。
裏方として着せ付けと後片付けを10人担当したのが和装組曲のこの二人。
流石に長い間私の傍にいる方々なので今では安心して任せられる。
お疲れさまでした。朝早くからの準備や搬入、後片付けまで手伝ってくださりありがとうございました。



さて・・・最後になりましたが、素敵な方をご紹介。






この着物・・
柄は何もないのだが、実は大変な技を有する。
それは「暈し」(ぼかし)の技法なのだ。
昔は沢山いらした友禅の職人さんでも、こういう美しいグラデーションに染め上げることが大変難しいのだ。
花や蝶や鳥や風景があれば案外人の目はごまかせるのだが、グラデーションだけで美しく均一に滞りなく仕上げるのは並々ならぬ技が必要で皆さんが思われる以上に職人さんの技術が必要なのだ。えてして人は何とか友禅・・と言う風に柄に目を奪われるのだが、こういう染の美しさも分かるようになって頂きたい。
又帯について。帯は汕頭風の地が透けるものだが、帯芯の色が驚き。着物の色と同じ色を使用している事。普通は黒か白か、そういうオーソドックスなものを使う。その方がいろんな着物に使えるから。でもこの方は色んなものに使えなくてよいのだ、この着物にピタリと照準を合わせて来られた。それが実にスッキリと収まっているのだ。できるようで出来るものではない。一瞬で私は目を奪われてしまった。本当の着物好きというのはこういう人のことなんだ、と。着物と帯が同色っぽくなるので帯揚げは白をキッパリとチョイス。凛々しい。

そういう着物の選択といい、コーディネートといい、そしてご自分らしくゆったりと自ら手早く着られたことといい、素晴らしい。私の人生の大先輩でもあり、本部の琵琶の大御所。この方の琵琶曲はユーチューブに何曲も上がっている。
琵琶の演奏もさることながら着物を着られてゆったりと佇むその姿はちょっと口では言い表せない風格。しかもその日使われていた扇子柄が何とアジサイの切り絵。小さなことや細部に至るまでの気の使い方。

写真をブログに載せたいのですけれど…と控えめに撮影をお願いしたら、実に爽やかに気持ちよく快諾くださった。私も、そして和装組曲のメンバーも感嘆してその姿を称賛。着物も帯も着姿も全て文句のつけようがない選択。
きっと着物を勉強する皆さんの参考になるはず。

着物は雅で華やかであれもこれもという着飾ったものばかりではない、一つ一つ無駄を排し必要なものを最小限、という何とも毅然とした気持ちの良い引き算の美も有るのだと教えてくださっているような気がする。年齢のいった方はやはりこういう姿が凛としていて見る方も気持ちが良い。この方はやはり別格のオーラだ。

先生ありがとうございました。



この演奏会が済むと毎年ちょっとほっとする。
さあ・・・今度は能面に邁進しなければ…秋の能面展が控えている。


あっ、そうそう・・・・
私のボイトレの先生が期せずして来てくださった。
ハードな毎日を精力的に過ごされている方でプロの歌手や音楽家を数多く輩出されている。
先日も先生がプロデュースされたオペラの舞台を終えられたばかり。
この日もレッスンの合間に寄ってくださったのだ。
上の本部の先生もそうだが、人生の大先輩のお二人の先生達だが、活動はびっくりするくらい精力的でしかも前向き。

この先生は、何人かの琵琶を聞かれて私の一番の弱点を瞬時に見抜かれた。
先生と話をして、私が気も付かなかったその点を指摘くださり、次回からそこを集中的に直していこう、と相成った。
凄い先生だ。来年に向けての課題ができた。
これもまた、楽しみの一つ。

頑張ろう〜♪

頑張れることを持つって素敵〜♪♪

私はなんて幸せ者〜♪♪♪