和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

能面「十六」・・完成

一年間かけて制作していた能面が完成。
「敦盛」が首を討たれた時の年齢からつけられた名前。

確か皆さんにはここまでしかお見せしていないはず。


今回彩色を済ませたのでご披露。

まだまだあどけなさが残る美少年だったとのこと・・・
とはいえ、そんなに上手くはいかない・・(笑)


真正面から・・・
あどけなさと何処とはなしにはかなさ頼りなさ。



横から・・・




上から・・・
何とも凛々しい公達〜♪


髪の生え際は・・・


墨で書くので失敗はできない。
はみ出すことも、どぽっと墨が付くことも厳禁。
凄い集中力で頑張った。
ちょっと酸欠状態。(笑)
書いた後は古く見えるように傷彩色。


笑っているようにも見える・・・


この角度からは妖艶にも・・・



兜を押し上げ首を討とうとした熊谷次郎直実は余りにも美しいその姿に
何とか助けられないかと一瞬ためらうのである。
女人にもみえるとは・・こんな感じだろうか。






裏から見ると・・・




薄さは・・・




薄いはず。重さは100グラム少し。

本当に少しずつしかできなくて完成まで一年間かかった。
我ながら気の長い話である。
でもとても幸せな一年間だった。
自分の定位置の居間のテーブルにお正月頃からはいつも置いて話しかけながら毎日磨きをかけていた。
少しでも早く仕上げたいとは露ほども思わなかった。
早く仕上げることより、自分の満足行く磨き方をする方が優先だった。
「どやっ!!!」
と言う位、ピカッピカッに磨き込みたかった。

そして
「物凄く綺麗にしてあげるからね〜」とか
「これ以上ない位に磨き込んであげるからね〜」とか
言いながら寝る前には毎晩磨いていたので愛着は物凄くある。
出来上がってしまうのが惜しいとさえ思っていた。

「この子はね…」
と語る私に家族は気味悪がってもいた。(笑)
段々慣れてきてはいたのだが、流石に夜中突然視野に入ると
「ちょっと、ギクリ・・」
したとも。

能面袋に入れてやっと保管。
能面袋とはこんなもの。






この袋は知り合いに作ってもらった。
生地は元々は名古屋帯
生徒さんから頂いた名古屋帯だったのだが、帯としてはちょっと癖があり過ぎ。
でもこの龍の図柄が気に入って能面袋として「十六」専用にした。
下さったけいこさん・・・ありがとッ!

次は何に取り掛かれるかな?
楽しみ。
暫くは木の塊とノコギリとノミで悪戦苦闘になる。
物凄く苦手な分野。
又ご報告するね〜♪♪♪

前回お約束した「お召」については次回・・と言う事で、お待ちあれ〜☆