和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

第3回「いろは会・春」

融けた雪の下から山茶花が顔を出す。



川にはツグミ・・・



屋根の上にはアオサギ・・・



橋の下にはひっそりとカルガモのつがい・・・らしき



木に枯れた実かと思いきや、スズメが鈴なり・・・


今年頑張った雪吊りの縄はかすかに雪の重さで緩んでいる。
そして空は青い。


川の水も空の青さを写している。



小さな川魚たちもあちこちから出て来ている。

我が教室の看板が雪で埋まっていたというのに今は・・・
雪一つなくなった。



今回のいろは会はお雛様の日。
気温も穏やかでそれだけでとても嬉しい。



玄関は桃の花と今年はソリダスターを合わせてみた。
菜の花に比べるとちょっと地味。(笑)

今回のいろは会のテーマは「春」
皆さん、思い思いの春の衣装でいらっしゃった。
一人一人がどんな思いでその衣装を選ばれたのかを聞いてみた。

皆さんも一緒に楽しんで見て〜♪♪♪


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どんな思いでコーディネートをしたか・・に的を絞ってみた。

まずはこの方・・・



春にはどうしても着たいのがこの淡いピンクの付け下げ訪問着だったようだ。
タンスから出すとシミが一杯。
北陸は湿気が多い。
染み抜きされたようだ。
着なくてもシミになるのなら一杯着てほしいね。

春なのでこの色の帯締めを是非使いたかった・・・と。
このバックも持ちたかった、と。
上品な柄の東京友禅らしき。


又、この方は・・・
春といえば卒業式。
今年はこの姿で子供さんの卒業式にいらっしゃる予定。
前回の着丈が改善されている。



帯は袋帯
柄は「銅鏡」の正倉院柄。
紋の有る色無地に格としては十分だが、ちょっとお太鼓大きかったね。
一度習ったばかりの二重太鼓なので無理はない。
次回もう少し体に合った大きさに練習しようね。
卒業式までまだ間に合う。



春なので一番好きなピンクの帯をチョイス。
着物も華やかで春らしい爽やかさ。
ただ皆さんの評判はとても良かったのだが、私は帯締めに一考有りと見た。
決して可笑しくはないのだが、強い紫は個性的ではあるのだが、この方の透明感のある爽やかさにちょっとしっくりこないのでは・・と思う。白とか薄汚しの生成りあたり、黄色系が品が良いと思う。どうしても濃い色で個性的にパキッとしたいなら、私はすっきりした青などの方が爽やかではないかと思うのだが…この辺は好みの問題。正解などない。色々やってみるのも楽しみの一つ。写真はないのだが、手持ちの品としてはピンクのボンボン付きの大判ストール。

この方も、前の方もまだ3回か4回しか和装組曲で習っていらっしゃらない。
だから家から着物を着て車を運転していらっしゃるだけで大変な努力だし、頑張りだと思う。
普通だったら、帯の結び方もあやふやな時なので。お二人は努力賞だね。

最後はこの方・・・・




何時もながら着方もコーディネートも完璧に近い。
小紋起こし(白生地の段階で既に紋様が入っていて、その紋様に合わせて染め上げられて色がさされている)の凝った着物地に帯は写真では分かり辛いが艶消しされた箔の無地に近い帯。
お義母さんのものとか。
小物まで実に吟味されて統一され無駄ない選択。
回数を重ねる度、実に上手に選ばれるので言う事がない。
この日はこんなバックで。


着物の柄があるのでもう少し無地っぽいバックでもよかったかな…
帯の格を考えたら皮のバツクの方がシックリきたかも。
着物だからと着物バックに拘らず洋服のバックを持たれた方が案外シックリ合うと思うのだが。
全てにそこまで要求するのは酷かも。(笑)


さてさて・・「春」というテーマで今回皆さんに装っていただいたのだが、人のイメージは色々。
折角なので今回は私の「春」もお見せしよう。
まずバックをイメージした。


で・・・これをチョイス。


青いメタリックな皮のバック。
特に春にはお気に入りのもの。
勿論洋服用。
まずこれを持つことをイメージしたら・・・
着物は光沢のあるお召しにしようと思った。
お召はサラリとしていて物凄く好きな素材。




西陣お召し。
春になったら何故か白やグレーを着たくなる。
さて、帯は何にしましょう・・・

バックの色味を考えると、





絞りだとちょっと可愛く野暮ったくてお召とはどうだろう?
花織は光沢も有り迷うが縞の着物に格子の雰囲気は少し硬い印象になる。
もう一つの花織は色が好きなのだが、お召の光沢にちょいと合わない糸の太さ。

で・・思い切って


塩瀬の青い楓の帯はどうだろう・・
バックとも相性はよさそうだ。
多分着物がお召でなくて紬ならドンピシャリかも。
いやそれではバックと合わない。
でももうすこーし、お召に合う格の有る帯を選びたかった。

考える事・・しばし。
で・・これにした。


箔地のすっきりした洛風林の帯。
自分の中で着物ともバックともピタリと一致した。


胸元の和装扇は「春」というテーマから「蝶」をチョイス。
塗りの所に蝶の形を抜いている。
扇面の和紙の藤色と帯の藤色とも絡む色で胸元にさしたらきっとしっくりくるだろう。

そう・・・どんなものでも合わせたら合わせた風にはなるのだが、
やはり自分のその時の気持ちとピタリと一致するととても嬉しい。

こう書くと皆さん一様におっしゃるだろう。
沢山持っているから選べるのね・・なんて。
そうではない。
私は着物も帯も値が張るので一生使えるものでないと買わなかったのだ。
二十代の時からずっと今まで。
青楓の塩瀬などは三十そこそこの時のもので青色の紬に合わせてよく着たものだ。
だから若い時から凄く地味好み。
そしてほれ込んだものしか買わなかったのだ。
妥協するくらいなら最初から買わない。
勿論妥協するというのは、値段ではない。
自分の思いに妥協しないのだ。
値段はいつも妥協の産物。仕方がない、現実の生活がある。(笑)
何といっても買えないものは買えないのですぐ諦める。
でも面白いことに
「私には縁のなかったものだったのだ」
という境地に直ぐ納得する技も会得した。これは年の功。(笑)


一杯欲しがるのは本当に欲しいものを手にしていないからに違いない。
もしくは、本当に欲しいものが何かが分かっていないからに違いない。

多くのものはいらない。
たった一つ物凄く気に入ったものがあればそれでいいのだ。
四季に合わせて四通りあればそれで一年中着物を楽しめるではないか。
むしろ帯締めの色について物凄くこだわって沢山持っているかもしれない。
若い時はピンクやオレンジの帯締めしか市販されていなかったので微妙な色を自分で糸から組んで作ったものだ。十年以上作っていたのだが、今ではいろんな色が店頭に並びわざわざ作る意味がなくなってきているのだが。
話がそれていく…

そうそう、次機会があれば「お召」について書こう。
いろは会の皆さんには説明したのだけれど案外皆さん言葉しか知らないので。
今回は長くなり過ぎたので・・・〜・・・いつもだけれど、は、は、は・・ごめん。
玄関の草履も段々春めいてくる。



 ・・・・・・・・・・・3月17日(土)・・・・・・・・・・・・・・
次回のいろは会は着物のテーマは「桜」
私のブログのファンが遥々遠くから参加してくれる。
コメントもくださっている方。
前日金沢入り。
どんな着物姿を見せてくださるか・・
お楽しみに〜そして待っちょるけんね〜・・・♪♪♪
ちょっとプレッシャーかけたかなぁ〜・・・