和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

第2回「いろは会・紋」

前回のブログで初回のいろは会の事を書いてその後ず〜っと「除雪」なる日常が続いている。
「豪雪見舞い」をいろんなブログ友から頂き心より感謝。
昨夜は新しい酒粕まで大量に頂いた。熱々の濃いトン汁を作り体の芯までぬくぬく〜♪
中には「生き抜いてくれ〜」と、食べきれないもの、使い切れない量もあり、隣近所に少しづつおすそ分け。
本当にありがとう。お蔭様で餓死もせず生きております。


豪雪真っただ中に我が家の庭に何を思ったかひょいと立ち寄った小鳥さん。
ツグミ」らしき〜・・・なにせ家の中からガラス越しに撮ったのでかなりピンボケ、ご容赦を。(笑)






今日は早第二回のいろは会だというのに雪はやっぱりまだまだ多い。
大きな車でいらっしゃる方が多いのでできるだけ直前まで除雪に明け暮れたというに、開始時間に更に吹雪のおまけ付き。
連日の除雪に我が傷持つ両膝はギシギシときしんでいる。
代謝が悪いせいか膝がはれ上がり正座ができない。
足首は象さんさながら。
その日は椅子での講義となる、平にご容赦を。


離れた駐車場から我が家に歩いていらっしゃる方は着物でブーツ。
こんな日はそれも有り。
「車の中には草履有ります。」
とのこと。了解。



今回のいろは会は「家紋」の話。
簡単に「男紋」と「女紋」の話などをしながら各自の家紋を見せていただいた。

まずはこの方・・・三つ柏
柏は古来神木とされ神事用の食器に使われていた。
この方の本当の家紋は「日の丸扇」が正式。
ただお婆ちゃんのご実家の紋を受け継いでの女紋。



次の方は・・・蔦
北陸には案外多いのだが、八代将軍吉宗が好んだ紋。
江戸期には町人から大名まで大流行し、松平諸家が葵から蔦に変えた例が多いとか。
この方は京都の方なので金沢で言う女紋と少しニュアンスが違う。
金沢での女紋は実家の紋であることが多いのに比べ
京都はその家その家で女紋が幾つかある。



この方は・・・左三つ巴
巴というのは元々弓を弾く時に腕を保護するための武具。
いつのころからか渦巻きの意匠を表す言葉に転じた。
戦国時代には武家の使用例が多かったようだ。


此の紋は全国的に見られる。
子孫繁栄の意味合いを持つらしく、鳥の巣の形とか、胡瓜の切り口とか、御簾のモッコウからとか、諸説がある。



ご自分の家の正式な家紋が分からない方はお墓に彫られている紋を是非参考に。
この日は着方よりもむしろ紋のついた着物を着る時の帯のチョイスを吟味したかった。

どの様な着物にどのようなものを選ばれたかをご覧いただきたい。

最初の方



次の方



又この方は



最後はこの方



帯締め帯揚げも各人各様・・・



濃い小物や目立つ小物はお洒落感が強くなることや、控えめな色や帯と同化する色は品が良くなり格が高くなる印象であることなどを話した。あとは出かける先と本人の思いで選ばれればよい。
兎に角この日は着方云々は既に問題外であった。
と、言うのは出てくるだけで大変なところに着物である。
しかも連日の除雪・・・


皆さん、傷だらけ。
転んで尾てい骨骨折、足首捻挫、手首腱鞘炎、肘の痛み、肩が上がらない、青あざ、赤あざなど満身創痍の体での参加。
よく出て来れたね〜・・・という私に、
此処で一人休むわけにはいかないでしょ・・と。
皆さん条件は一緒・・と。
ご近所でも除雪していて凍傷にかかられた方もいれば救急車で運ばれた方もいる。
雪を捨てる場所がないほど降ったのを高く高く積み上げていくので関節は頗る傷ついているはず。

凄いね。偉いね。流石だね。(笑)
前日になっても休むというメールもなければ電話もない。
私の方が心配になった。
「駐車場のスペースは大丈夫ですか?」
と一人位は聞いて来るかと思いきや…
「先生はどんなことをしてもスペース開けて確保していてくれるはず」とキッパリ。
皆さんまさしく肝入り。
流石の私も脱帽。

肩や肘や手首が動かないながらも帯を結んで着物で出てきてくれたことに感謝。
「シートベルトもはめられんかった」
という痛み。
正座できないお尻の痛みに耐えている姿に本当に感動。
4時間近くもかけて来てくださった方も有り。


皆さん、ありがとう。
本当に凄い方々だ。
真剣な姿に頭が下がる。
何処かに皺がある・・とか、
何処かにゆるみがある・・とか、
ちょっと長いとか、短い・・とか、
ここまでくればどうでもよい事。
兎に角着物を着ていく、という一念の気迫が見て取れた。

真剣に、そして真摯に、何処までも一生懸命励むその姿は何にもまして実に美しい。



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   3月の「いろは会」のお知らせ
   
    3回目  3日(土) 着物のテーマ「春」
    4回目 17日(土) 着物のテーマ「桜」

        例えば「桜」なら桜の絵柄など必要としません。ほんのり桜色の半襟でも可。
        自分なりに一工夫して着物と帯をチョイスしてください。

        われこそは・・・という飛び入り有志、お待ちしています。


しっかし・・・和装組曲の「いろは会」今年のメンバーって凄くない?
皆さん、家庭を持って、仕事をもって、しかもあの豪雪を毎日除雪して、あの吹雪の中を着物で参加するって・・・
平穏無事な時にさも立派な事を云うのは誰でもできる。
でも、ここ一番という時に決められたことを決められたようにキチンとするのはそう簡単な事ではない。
迷いの電話やメール一本なかったことに心底脱帽。
私も力をもらった。
次回は更にステージを上げましょ〜♪♪♪(笑)