最近何となく元気がない私を友人が気遣ってくれる。
本当にありがたいことだ。
そのうちの一人がお伊勢さんに行ってきたからと土産にお酒を二本くれた。
酒の味など全く分からない私だが、飲むと何となくほんわかとするところが好きだ。
お酒を大勢で飲む、というのは私の中ではない。
外で飲むとしても、せいぜい気心の知れた人と二人で飲むのが限度である。
好きなものをほんの少し注文し、好きなペースで少しだけ頂く。
その時は何より会話が楽しい、だから楽しいと思える相手とでないと飲まない。
しかし、本質的には酒は一人で飲むのに限る・・と言うのが持論。
ぼ〜っとして何を考えるでもなく黙々と飲むのがいい。
音楽もテレビもビデオも何もいらない。
そもそも酒を注ぎあう相手もいらぬ。
空にぼんやり浮かぶ月を見ながら・・・
虫の集く音を聞きながら…
しんしん降る雪の重さを感じながら…
私にはそれで充分である。
もし贅沢を言うなら面白い本があれば更に良い。
本が上質の内容なら更に更に良い。
今はこの本を少しづつ。
- 作者: 観世清和
- 出版社/メーカー: 淡交社
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本
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(↑何度もアップしなおさないとすぐに消えていくのでひょっとしたらうまく表示しないかも。)
以前触れた観世宗家と内田樹さんとの対談の書も良かった。
内容にのめり込むなら北方謙三氏の「水滸伝」などのハードボイルドな歴史書もいい。
現実から離れて壮大な歴史の中でどこまでも遊べるから。
といいつつ、私はまだ読んではいない。失礼。(笑)
この方の書は読みだしたら止まらなくなるので、読むときには相当覚悟がいるのだ。
長編ならなおさらの事・・
水滸伝 文庫版 全19巻+読本 完結BOXセット (集英社文庫)
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/04/23
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今回年配の友人が薦めてくれたのが内村鑑三氏の書二冊であった。
含蓄があり悪くは無かろうが古い本なので、なにせ字が細かすぎて眉間に皺が寄り顔の相に悪い。
これは老眼鏡を買ってからにしよう。(笑)
夜も更け行けば、何となく字を読むのにどっと疲れが来る。
そういう時は写真集を見ながら一献。
それがこれ・・・
- 作者: 堀安右衛門
- 出版社/メーカー: 淡交社
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: 大型本
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これは以前このブログですでに紹介した。
【新品】【本】能面打ち 堀安右衛門の作品と技 上 初代堀安右衛門/著 神田佳明/撮影
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > エンターテインメント > 演劇・舞踊 > 歌舞伎・能
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- 作者: 堀安右衞門,神田佳明
- 出版社/メーカー: 淡交社
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プレミアのついている今は絶版の本をブログ友が安く探し出してくれた。
今はワインや日本酒をちびりちびりとやりながら夜2〜3時間、一人静かに就寝時間まで過ごしている。
飲む時はほとんど食べない私である。
大して沢山の友達はいないのだけれど、少ないながら何とも心安らぎ心優しい友人たちではないか。
皆、ありがとう。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪・・・・・・
今日、家の報恩講が済んだ。
お経の上がっている時は「六字名号」の掛け軸を。
掛け軸の書は蓮如上人である。
花押は通常の蓮如上人の物とはちょっと違う。
これは蓮如上人の49歳から53歳の時に使ったとても珍しい花押。お墓の拓本した方から頂いたもの。
拓本は一般人には普通許されないのだが、委託されたその方が自分用に何枚か拓本を許されたそのうちの一つ。表装は私の好みではなくその方の趣味。(笑)
金と赤のコントラストが強すぎちょっと品がないように見えるのだが、ご本人曰く「こういうものはこういう感じなのだ」とか。
金は24金とのことで妙に光る。門外漢は黙って静かに頂くのみ。
お経の後は掛け軸を変えた。
観音様。
これは全て自分の好みで表装したもの。
この観音様は実は物凄くいわくつきなのだ。
家を新築した時に観音様の掛け軸がどうしても一本欲しかった。
色々探すのだが好きなものがなかった。
観音様の顔がどうも気に入らず何か月も探したものだ。
ある画廊で
こんな感じのものを・・という私にオーナーが、
「ちょっと待って・・」
と物置の奥の奥の奥から
「随分前に・・・」
と、出してくださったのが三枚。
勿論表装などされていない。
三枚丸めて古い埃の被った包装紙に包まれていた。
右向き、真正面、左向き・・の三枚。
三枚の中でもこの左向きが一目で気に入った。
うちの仏壇の位置から言うと観音様は左に向いていないと仏間は締まらない。
値段を聞くと何ともはっきりしない。
と、言うのは持ち主が亡くなられてご遺族が持ち込まれたようだが、どうも物凄く安く買い取ったようで画廊の主もその存在さえ忘れていたようである。
畳みかけるようにそそくさと値段を決めて早速表具に出す。
いちいち細かく裂の色や柄を指図する私。
ひっそりとしたものが私好みである。
「普通は・・」
と難色を示す表具店の主を
「普通は知らないし、私は普通ではないから」
と押し通す。
ところがそれを手に入れて何か月か後の話。
その画廊から電話があった。
表装の料金込みで私の言い値で買うので返してもらえないか・・・というもの。
どうしても右向き、左向き、真ん中の三作を欲しいという客が現れたらしい。
言い値で買う、とのこと。
「手放しても良い値を言ってください。」
「損な話ではないでしょう。」
と。
知るか…〜・・!!!
人は損得だけで動くものではない。
これはもう取引の済んだものである。
嫌なものは嫌である。
もう我が家のものである。
そして、私のものである。
粘りに粘られる。
私には魂を手放す位の心の抵抗があり、あくまで却下。
今ならじゃあ・・と高い値で手放すかもしれぬ。
今は節操はまるでない。
でも当時は鼻息が荒くどこまでも勇ましく凛々しい女だった。
で・・結局は相手は諦めた。
そういう曰く付きの掛け軸であった。
今でもすこぶる気に入っている。
必ず報恩講のお経の後に、六字名号の後に登場する。
報恩講の為に吊るしし掛け軸より
出でます観音像としばし目の会ふ
掛け軸を出す時にいつも観音様と暫し目が会ふ私である。
きっと吉兆〜♪
何でも自分の都合の良いように受け止めよう。
目出度い女は何処までも目出度い・・・それを貫こうではないか〜♪
因みに観音様の像でとても有名な方の絵であった。
後にその作家さんの老齢な奥様からご主人の名前での箱書きを頂いた。
いつも奥さまが箱書きの名前を書かれていたとのこと。
「主人の絵に間違いございません。」と。
いつも報恩講の時に思い出す。
今年も更けていく・・・
私も益々老けていく。。。
それもそれでいいではないか〜・・今はそんな心境。