和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

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以前にブログで書いてきたように仕事もさることながら、去年末から歯医者さんに日参して歯根治療に数多くの日数と時間、そしてお金を掛けていた。
これは此の時しかなかった。急を要してもいた。1週間に4回通う時も何回もあった。
又、春からボイストレーニングもしだした。これも気になりながら中々手を付けられなかった事でもあった。愚図愚図していたら何時までもできるものではなく、思い立ったのが始める時、とばかりに自分で波を無理やり作ったとも言える。

仕事、琵琶、歯の治療、そこへ持ってきてボイストレーニング・・・
家庭を持つ身には目一杯の日々。そこまでしないといけないのか・・・。
そう、しないといけないのだ。しかもどれも今なのだ。今しかないのだ。
目一杯目一杯での中の仕事でもあった。

ところが、波は波を呼ぶ。
4月から怪しかったHPに暗雲。
いやHPと言うよりその周りや背景にひたひたと異変が起こっていた。ちょっと不安で「ジョーズ」のテーマ曲の中で心は過ごしてもいた気がする。
ついに7月中頃には「すわ、一大事」となり早急にHP会社を変えないといけない突発事態となった。
しかも更新の関係で11月までに何とかしないといけなかった。

しかし・・・・私って、流石やわぁ〜♪(笑)
直ぐ、やったさ、とりかかったさ、対処したさ。
対処の必要を感じたその夜からすぐ取りかかった。
ぐだくだ言っている時間が惜しかった。
その受身の何たる素晴らしさ。身のこなしだねっ。(初めてこのブログを読んだ方、嘘だからね〜。自画自賛は私の専売特許〜。)
好むと好まざるに関わらずの事、色んな所を手当たり次第に探してみるのだが、生憎気に入る所がない。こちらが気に言ってもあちらの予算と合わなかったり、こちらのメールに返信されるのが三日もかかったり、すったもんだ、なんやかやとやっと7月末にHP制作会社を一社決めた。かなりの強引さ。これはいつものこと。さあ、そこから忙しさの合間を縫ってHPの構想が始まった。



8月、9月、10月と私は本当に超、超忙しかった。と、いうと聞こえはいいが、実際は自分の仕事のはかが行かないだけだった。所詮ドン臭いお婆の仕事。しかもそんな時に限って訃報は容赦なく舞い込んでくる。
ひと月の間に寝ない日が何日もできた。当然と言えば当然である。自分のHPである。必死は必至。自分が頑張らないで誰が頑張る?
HPは自分の思い入れもある為、何としても自分の気に入る物にしたかった。まかせっきりには絶対できないのだ。やり直している暇も既にない。
しかも貧しい中で組む予算である。それが目一杯生きないと意味がない。
写真も、モデルも、場所も、セッティングも、なによりそれら皆本物を使いたかった。
切り貼りや何処かから無料で借りてきたり、とかはチラリとも思わなかった。使う着物も力のある着物を厳選したかった。
自分の中で「この辺で手をうとう」という考えがまるでないのだ。まあ、いつものこと。自分が行けるだけ行け〜。
その癖、予算もからっきしないときた。
ないない尽くしで始めたのだ。
でもいつも心で叫ぶ。
「お金を使えばいい物ができて当たり前じゃん。ない予算の中で何処まで自分の思うようなものを作れるかが大切。」

しかも、使かった予算を何処で回収できるか・・・できるわけがない。
人を集めるためのHPではないのだ、私の場合。
人を集めればいいというHPはいらないのだ、殊に私は。
所詮1人でやっているしがない着付け教室。どっと来られても対処などできぬ。
私はHPを篩(ふるい)にしたかった。
本当に真剣に自分で着られるようになりたい人に来てほしいのだ。
それには着飾ることが目的の人はふるい落としたい。
ここでチャラチャラしたい人もふるい落としたい。
化粧品や、保険や、エステや、着物や宝石などをあわよくば売りたい人もふるい落としたい。
次から次と買った着物や帯を周りに見せつけたい方はもっとふるい落としたい。
そんな所は他に一杯あるはず。和装組曲でなくていいのだ。
ただで、できればちょっとでもお金も労力も掛けずにチャチャッと片づけたいと思う人もうちは無理である。
どんな物も習う時には労を惜しんではいけないのだ。
簡単に手に入る物は所詮そんな程度である。
この仕事を始める時から決めていたのだ。
私は簡単なやっつけ仕事はしない。
少なくてもそういう所と一番遠い所にいる着付け教室だと思っている。それがどんな時も挫けそうになった時に自分を支えている。
着るだけではなく着物と言う物とキチンと向き合い勉強したい人だけの特別な教室にしたいのだ。

そんなことを考えると予算はできるだけ使わないで作りたかった。
いらっしゃる方が物凄く少ないだろうから、回収はできないと思った方がよいのだ。

コピーライター不要。自分で考える。誰かを頼むと経費がかさむ。
そんな余裕などない。有るわけがない。
予算など最初から組んでいないのだもの。

ある意味天災ともいえる、今回の事はそう自分にも言い聞かせていた。
「私って、天才〜いえいえ、天災〜♪」をいつでも地で行く。
毎晩考え、写真の構図もどんな物にするか、練りに練った。
勿論ド素人の私なのでHP制作会社初めいろんな方からアドバイスを頂いた。
こういう時には長年の友人がありがたい。
真剣に相談にもなってもらった。迷い道では水先案内人になってくれてもいた。
迷子になりそうな時はちょっと肩を押してももらった。
素直で柔軟な協調性抜群の私なので人の意見もよく聞いたことは勿論のこと。(御存知だろうけど、物凄い大嘘〜♪)



ついに出来上がった。
ちょっと灰汁が強い・・いやいやかなり強い。
ちょっと個性的・・いやや物凄く癖がある。
でも気にいっている。ここが一番大切。
私が気にいると言うのは、嫌いだと言う人が物凄く多いはず。(笑)
いいのだ、私のHPだ。好きにする。最後は開き直りの婆・・いつものこと。

しかし流石に疲れた。
昨日、これで完成だと決まった瞬間、今晩熱が出るかも・・・と心底思った。
それほど神経張り詰めてもいたここ何カ月間だった。
HP会社は仕事である。私は創業からの色んな思い入れのある大切な「和装組曲」であり、かけがえのない仕事場でもある。しかもこれから何年もつきあっていく、毎日とは言わなくても何度も見て行くHPである。いわば私の顔代わりでもあるのだ。
隅から隅まで、句読点の位置まで拘った。自分が見て気持ちの良いものであるのはとても大切。譲れぬ思いはとても強かった。


まずはやれやれ・・・
どうか見てやって下さい。
私が精魂込めて作ったHPを。

和装組曲

 http://www.wasou-kumikyoku.com/

     

  ※古いHPしか出ない方は「新しい情報に更新」または「再読み込み」して下さい。


癖が強すぎて嫌だと思う方が多いに違いない。
なにせトップページに「死」という言葉が出て来ている。
葬儀社じゃああるまいに・・・しかし、決してHP制作会社のせいではない。
制作会社はとても柔軟に且つ誠実に真摯に対応して下さった。
しかし、私が自分の好みを主張しその思いのままに作ってもらったのだから、見る方に不都合があるとすれば全て私の責任である。
HP会社のオーナー初め、スタッフの皆さん・・特にYちゃん・・・Yちゃんには本当に感謝である。
Yちゃんにはかなり怖くてキツイ強烈メールも知らぬ狐顔で、時には狸顔で何度か送った時もある。
「さあ・・どうでてくるか・・Yちゃん、来い!!」と返事を待つ。
その返事がまた良かったのだが・・中々大したものだ。
そ知らぬ顔で「そうですね・・仰るとおりですね・・・でも、」とピクリとも譲らなかった。
この子はいつか大した子になるに違いない。


又、場所を提供して下さったホテルや旅館の方々・・
そしてモデルとして東京から来て下さった敬愛するわが先生とお嬢さん〜
恐縮する私に
「あなたの一大事に力になれてとっても嬉しい」と言って下さった。
やはり人間の出来が違うね。恩着せがましさが全くない。突き抜けている方の凄さだね。
また、何時も我がままを「いいよ〜金沢行くよ。楽しそう〜♪」と言いながらも気持ちよく(と、勝手に考えている)協力してくれるわが遠方の友人・・
そしてモデルとなる事に嫌がらず協力してくださった和装組曲の生徒さん達・・

本当に有難うございました。
皆皆様のお陰です。心より感謝いたします。
こんな可愛い素敵なホームページできました。
「どこが、可愛い?!」と声が飛ぶだろう。
お婆は目が悪いが、なんの耳は更に悪い。
なんも聞こえやせんがなぁ。
こんな可愛いHP、多分何処にもない。
きっとない〜☆  絶対ない〜☆★☆ 




さてさて・・・
一難去って又一難。

今度は11月の東京で開催される琵琶の全国大会・・頑張らねば。
あと2週間しかない。
背水の陣〜。
何時も私は崖っぷちの女ならぬお婆♪
「頑張る!!頑張らいでか!!」
気合いだけは人一倍である。
東京で演奏できるなどそうそう有るものではないのだから。
なにせ気合いだけで人生、日々生きているようなお婆である。

しかも、あろうことかキスゲ姐さんが聞きに来ると言う。
ひやあ〜ノミの心臓どころかノミの赤ちゃんの心臓のお婆である。
キスゲ姐さん、きっとその日は仕事入るはず・・・・何か突発事項が起きるはず・・・来られなくなるはず・・・忘れて・・・と邪悪な念力を金沢から飛ばす。
自分の失敗、下手さ加減、誰にも知られたくないなあ〜
知られた日には、キスゲ姐さん 鬼の首を取ったようにほくそ笑むだろうなあ。嫌やなあ。
ブログに琵琶の事を書けなくなりそう。(シュン・・・)
どうぞ大きな失敗をしませんように。
ちょっと弱気にもなるナイーブな可愛い私でもある。(自分で言うかあ〜・・・・笑)





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪・・・・

長くなりついでにもう一つ・・・・
合間を縫って読んだこの本。
幸田文さんの「きもの」。

きもの (新潮文庫)

きもの (新潮文庫)



takikioさんのブログで読んだ。takikioさんと私とでは本の好みが一致しないことも今までよく有った。
で、今回は余り期待しないで取り寄せた。きものの教室をやっていて、少なくてもそういう関係するものには、面白かろうが、面白くなかろうがやはり目を通して置くべきだろうと思ったので。

ひゃあ・・・面白かった。多分30年前だとそんなにも思わなかったかもしれないのだが、今の自分には中々興味深く楽しく一気に読ませて頂いた。
特に主人公のおばあちゃんがいい。自分の母親を思い出していた。こんな人、男でも女でも昔は結構いたのよ何処にでも。今はほとんど皆無だろう。全てに目配りできる洞察力のある老人。知らぬ顔でニコニコしてしっかり周りを見ている人。

一番心に響いた文がある。
作者がお婆さんに語らせている。
「一生のうちにはね、覚悟して着る着物というものがある。」と。
「まともな女なら心にけじめをつけて着る。」と言わせしめる。

心にけじめをつけて着る着物・・・・いい言葉だと思う。
着物はチャラチャラ着飾るものになり下がっている昨今だけれど、本来は心にけじめを付けて着る着物でありたいと思う。
子供の入学式しかり、卒業式しかり、結納や結婚式しかり・・そして葬式しかり・・・人生の節目節目に必ず着物が登場する。
着物はまさに矜持である。
勿論軽く楽しく遊びで着る着物もあってしかるべきだか、そんな場合は着物でなくてもことは足りる。

しかし、良い一文だった。私は忘れないだろう。

一般の方にはちょっと退屈かもしれない。
着物の着心地について追及されているのもいいし、綿の着物についての描写には目を見張る。
木綿の着物は裾さばきがちょっと「バサッ」と悪いので今までちょっと敬遠していたのだが、読んでいて綿の着物を一枚作ろうと真剣に思った。
浴衣はほとんど着ないので要らないのだけれど。来年「浴衣を手縫いで縫う」のイベントには自分で一枚木綿の単衣時期の着物を皆さんと一緒に縫うことにした。
木綿の着物かあ・・・・
自分で縫えば、縫った者にしか体験できない忘れられない新しい世界が広がるだろうと思う。

着物を勉強したい方には是非一読を勧めたい。
takikioさん、御紹介下さり有難うございます。