和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

「やまみち」さんの変身〜♪♪

実はこの時を一番待っていたのは私かもしれない。


この方が和装組曲へ来られた時はちょっと暗い雰囲気だった。
従来が大人しく静かで控えめな人なのかもしれない・・・
硬い心を静かに頑なに抱きしめて必死に生きている感じがした。

だけれど・・・・多分・・・勝手な想像だが・・・
和装組曲の水がこの方に合っていたに違いない。
日を追うごとに生き生きとした表情をされ、目の光も強くなってきたように感じた。
見る見るうちに水を得た魚のようにのびのびと実に楽しそうに過ごされるようになった
    ・・・と思うのは余りにも自分勝手な想像かもしれない。


硬い核のような自我とひたむきさを静かに持っているのとは裏腹に
どんな時も決して出しゃばらないし、決して自己アピールはしない。
頑張っています・・というパフォーマンスも一切しない。
勿論無駄なおしゃべりはしない。
いつも一歩教室の中で引いている雰囲気は強く感じていた。
この方の生まれのせいか・・育ちのせいか・・経験のせいか・・
それは分からないが私はとても好感をもって見ていた。
この方はどんな仕事もきっちり精一杯黙々とこなす人に違いない。



しかも静かな雰囲気とは裏腹に物凄く練習をされている。
言ったことはどんな時もキッチリやってくる。
私が話している時は決して不用意な私語ははさまない。
何かを質問しても私のいくつか質問した順番通りに答えてくれるのをみていつも感心していた。
人の話を実にしっかり聞き、しかも頭の中で論理的に整理できる方に違いない。

彼女が友人の結婚式の披露宴にお母さんの無地の着物に昔の帯でひつそり参加すると聞いたのは一月位前になる。
「駄目よ・・・華やかにしていきなさい。若いのだし、何よりお友達のお祝いなのだから・・」
という私に
「ゴテゴテした感じはあまり好きではないのです。似合わないし・・。」と。
静かに着物を着て、ひつそり普通の二重太鼓を結びます・・と。
この方は自分と言う物をしっかり持っているので気に入らなければ洋服で行きかねない。
自分らしくない装いなど決してしないに違いない。

こんな方の為に私たち和装組曲はあるのよ。
あなたの雰囲気は決して壊さないので私たちにさせて・・・と。
で・・・同期のけいこさんやくみちゃんが着せつけてあげようと。
彼女たちの練習にもなるし、何より本人の希望に何処まで添えるかも貴重な体験なのだ。
かといってけいこさん、くみちゃんではちと荷が重いのもたしか。
ケセラセラさんも手伝わせたのは言うまでもないが、私も口だけ出す現場監督。


今日はそんなコメント名「やまみち」さんの友人の結婚披露宴への参加の日。
滅多に動かない私は珍しく前日から教室の掃除をする。
当日は玄関に水を打ち、季節の設えをした。
御香は特別に「老松」をフンパツ。
教室の暖簾は爽やかな麻の暖簾に替えた。
清々しい日にしてほしい。
思い出に残る一日になってほしい。


ブログ友の「Tpong」さんこと髭さんから頂いたカレンダーもこの日初めてめくった。
今まではもったいなくてめくれずカイツブリの表紙のままだった。一年中表紙のままでも良いと思っていた。
何だかこの写真の一枚一枚をどんな労力をさいて写真を撮られたのかと思うと仇や簡単にはめくれなかった。
だけど、「やまみち」さんの晴れの日・・・(笑)・・さ。キビタキの美しい姿も「やまみち」さんを励まし祝ってくれるはず。
「とうとう思い切ってカレンダーめくりましたね?」のけいこさんの声。
思いも新た・・・今日は皆で「やまみち」さんを最高に美しくさせてもらおうね〜♪



さて・・・さて・・・
やまみちさんのお母さんの何十年前のお嫁入りの着物と帯・・・着物は無地。帯は袋帯
背中に家紋。模様が一切ないのも清々しく気持ちがよい。
スラリとしたやまみちさんにはちょっと丈が足りないが、何とかしよう。



皆さん振袖のところをお友達と同席するのだから、華やかさは欠かせない。
柔らかいサーモンピンクの着物に合わせて・・・半襟をチョイス。
これはたまたま教室の教材にあったものを使用。

色味が少ないので伊達襟でメリハリをつける。
一枚二枚なら何とかなる。しかし三枚は腕がいる。
くみちゃん、怒られながら悪戦苦闘。

簪はこれしかない・・・

どれを選択するかは、美容師さんにお任せしよう。



さてさて・・・・どうなりますか・・・・



本人も好きという・・・「ハナミズキ」。
私は彼女は白い花のイメージだったので一致。
帯で作る白いハナミズキ・・・どうなりますか・・・ご覧あれ。




         一応念のために一言。

この帯結びをするために切ったり、張ったり、塗ったり帯を痛める事は一切していない。ましてホチキスで留めるなどもってのほかである。最近そのような変わり結びをいたるところで見る。貸衣装なので美容師さんも平気なのだろうし、そうしないと難しい形は出来ないと信じているのだろう。和装組曲ではそのようなことは全く、これっぽっちも、していないので念のため。おうちで帯を解くと元の一本の帯になるのですよ。和装組曲とこのお婆の名誉のためここで明言しておこう。と、いうよりそれは本来当然のことである。
そしてもう一つ。
この結びをするために「やまみち」さんの身体に巻いた紐は一本のみ。
多分どんな着付け教室でしてもらう帯結びよりも楽なはず。このへんは私の自慢の所でもある。




どこまでも薄化粧。
リップクリームだけの唇。
綺麗です。本当に。皆で見とれてしまいましたよ。



どこからどういう風に覗いてもらっても(笑)、パーフェクトに。
何処までも美しい処理に拘りましたよ。




とっても・・・とっても・・・綺麗でしたよ。
その後彼女は自分で運転して披露宴会場へと・・・



「やっぱ私たちって、天才集団?」(笑)

走り去る「やまみち」さんの車を見送りながら言う私。
どこまでも目出度い私。
「いえいえ・・・単に彼女が綺麗なだけでしょ?!」の声。
さいですか。。。。。確かに。。。。


多分この日、花嫁さんの次に注目を浴びたはず・・・いつもながらの勝手な想像。(笑)

ケセラセラさん、くみちやん、けい子さん・・・お疲れ様でした。
そして一番大変だったのは「やまみち」さん。
一番心配したのは「やまみち」さんのお母さん。
お母さんが自分の着物で娘さんが人前に出られることを多分一番冷や冷やされていたはず。
あなたのお嬢さん・・・物凄く似合ってましたよ。
だれが何十年前のお母さんの着物だと思うでしょう。
やまみちさんの為の着物、そのものでしたよ。

やっぱり、着物は素敵〜☆
何十年後でも着物に息が吹き込まれ着る人を生かしてくれるのだから。

皆さんもそう思いません??




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前回のブログでお母さんにぴったりとくっついていたカルガモの赤ちゃん・・・
今回はなんとお母さんが目を離したすきに・・・・



なんとも嬉しそうにスイスイ〜・・・ドンドン離れて行く。
見ているこっちが物凄く不安〜(笑)


泳ぐスピードも出ているようで波が立つのも分かる。

    どこま〜でもいこう・・・〜♪



その時お母さんカモ・・
「パシャリ!!!」と水音。
子カモ、びっくりして固まってましたよ。(笑)
「それ以上行ったら駄目!!」という合図かしらん。


最後は仲良く・・・



良かった。良かった。何事もなくて・・・おしまいさ〜♪♪
最後まで読んでくださりありがと。