和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

臭木〜♪

最近色々な方のブログで時々この写真を見る。
クサキ・・・・臭木・・と書く。
クマツヅラ科で紺色の実の回りは赤い萼(がく)。


これが実物。
枝や葉を折る時に微かに臭いがする。
ちょっと焦げたような臭いだ。

木は2〜3メートルあたりか。

実はこの木・・・ブログ友の雅詠さんが送ってくださった。
前々から実物を見たかった。雅詠さん、ありがとう〜♪
羽子板の羽のように可愛い実だが、草木染めに使われる。

このまま紺色の実を取り実をつぶさないで煎じると淡く美しい薄い水色に染められる。

一方、実をつぶして煎じると

お分かり頂けるかと思うが微かに緑色が増し、淡い美しい青磁色となる。

藍の色とはちょっと趣が違い淡くて薄くて美しい濁りのない澄んだ色に染まるのだ。
媒染剤は不必要である。

草木染めの話ついでにもうひとつ・・


山帰来(サンキライ)・・・サルトリイバラ。
庭の片隅のツワブキの葉を添えて。

実はこのサルトリイバラ・・・

こんな美しい実を持つ。
この美しい実からついた・・・か、どうかは知らないのだが「紅露」ともいう。
沖縄の草木染めに使われる。「紅露」と書いて「グール」と言う。
こんなに美しい実なのでさぞや美しい「赤色」がとれると思いきや・・・
じつは実は染料に使わずこの木の根を使う。

染めると灰色となる。
久米島紬では車輪梅と共に使うと、泥(鉄)媒染で黒褐色、ミョウバン媒染で赤茶色となる。
八重山上布などでも灰色の染料として使われているので参考に。

で・・・もう一つ、おまけ。


ハゼの木・・・今仕事場の玄関に生けてある。
このハゼ、漢字では「櫨」と書く。

この実は黒々とさぞや美しい黒が染まるかと思うのだが
この実からは「和蝋燭」(わろうそく)のろうが取れる。
「ハゼロウ」というそうだ。

草木染めに使わないかというと・・樹皮を使うそうだ。
ただ主だった草木染めの書物には出ていない。


「クサキ」を一度生徒さんに見せてあげたいと以前から頼んであった、山を持つ友人に一枝分けてもらう約束をしていたのだが実現できなかった。
その方の山に無断で入り下の方の取りやすい枝を大きいままで折って取って行かれた集団があるようだ。草木に限らず、ハゼ、クヌギケヤキ、クリ、ニレ、アケビ・・・美しく紅葉したり実をつける木が総ナメにされた。どうも生け花をする方々が自分の作品を制作するのに必要な木々を手当たり次第取って行ったようだ。枝ぶりの良い枝がガバリ、ガバリと切り取られているようだ。大きな生け花展(石川県は華道王国なのだ)があるたびに村の方々が被害にあわれるとか。前々から秘かに生け花をする方々の無遠慮を通り越した無礼極まりない行為を苦々しく思っていた私は烈火のごとく怒りが噴出。

どんな山も持ち主があると言うことを知らぬのか。勝手に入るだけでも違法なのに、あの木もこの木も手当たり次第、どうかすると栽培している苔、きのこ類まで取って行くそうである。皆生活があるのだ。それで生活している方々もいると何故分からないのか。人の物は人のものなのだ。そんな方々は花を生ける資格などあるのか。こんな大きな山だから、一枝くらいならいいだろう・・・と思うのだろうか。恥ずかしい限りだ。


今回は実物を諦めて写真を見せるだけのつもりでいた。
そんな話をして雅詠さんの写真を使わせてもらうつもりでいた。
なんとわざわざ「クサキ」を瑞瑞しいままで送ってくださった。
雅詠さんに感謝をこめて何としても書きたかった。
本当にありがとうございます。
実際手にして皆もとても感動。
多分、これで忘れないはず・・・〜・・・♪