和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

 着物姿 〜ナイスガイ編〜

先日は女性の20代から50代の5人の着物姿をお披露目したが・・・
今日はスレンダーボディのナイスガイの着物姿をお見せしよう。

彼は30歳。
大太鼓も叩けば龍笛も吹く。
何より格好いいのはヒップホップもするダンスの先生。
本業は着物のリサイクルショップを経営している。
うちに出入りしていたのは仕事を始める前からである。

女性の着物も着つける猛者・・・って、変な表現かも。(笑)
先輩のお姐様がた7人〜8人の中でただ一人、20代男性で孤軍奮闘して習った経験もある。
大した若者である。
口では簡単に言えるが、中々できるようで腹を据えてかからねば出来る事ではない。
おかげで女性の着物も着つけられるまでなった。


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朝・・・・「こんにちわ〜♪」と着流し姿で爽やかに登場。

玄関で脱いだ足元を見れば・・・

ボア付きの地下足袋
「かわいい〜♪」このあたりからして既成概念にとらわれていないのが嬉しい。
この辺では売っていない。
京都で買ったに違いない。

寒いので羽織を着ていた。

羽織は男用の「髭織の羽織」だ。「髭」も女ものよりちょっと長くて1センチはゆうにある。先日の「髭帯」の写真が分かりにくいので写真を撮らせてもらった。

ついでにと言っては何だが羽裏も見せてもらった。

背中の縫い目がないのがわかるだろうか?
こういう風に背中の縫い目がなくて裏地が1枚の絵のようにつながっているのを確か「額裏」と言ったはず。
とかなんとか・・・そんな話をしながら・・・

帯は兵児帯を締めてきた。
丁寧だがどこか遊び心のある絞りの兵児帯
チョウチョ結びや片輪な結びという甘い結び方でなく身体に巻きつけるクールな巻き方だ。今日は角帯に変えてもらった。(勿論本人持参)

いつも彼は自然体で、格好良く見せようとか目立とうとか一切考えていないのだが
とてもお洒落で人目を引くのは間違いない。
スレンダーなボディと独特の静かで垢ぬけた雰囲気が都会的なムードを醸し出す。
書いていてここまで書くと読む人が「嘘くせえ〜」と思うのではないかとふと思う。
でもこれは本当のこと。多分これを読む教室の生徒さんは「そう・・そう・・」とうなずくはず。
彼独自の着物観がありそれをいつもきちっと実践している。

雨が激しいからとか・・・
寒さが凄いとか・・・
手持ちの着物の種類がとか・・・
体型が細いからとか・・・

しないこと、出来ないことに対して、クドクド言い訳はしないのだ。
着ると決めたら着る・・・のだ。実に若いのに潔く男らしい。

今回自分の結婚式のために・・他にも理由はあるのだが・・・
袴を自分で着るのを習いにきた。そのため兵児帯を角帯に締めなおしてもらったのだ。

袴の締め方、コツをキチンと復習しながら丁寧に繰り返す。
せっかくなので、脱いだ後の畳み方も習っていく。
大事なことを忘れていた。
今日彼の指導にあたったのは「チーム・HASEGAWA」のメンバーの一人で若干まだ30歳の女性。彼女の畳み方指導を受け・・

自分の脱いだ袴を畳んでもらう。
実に綺麗に畳んだ。実は畳み方がちょっとでも違うと紐がほどけなくなるのだ。
ちなみにこの畳み方の種類は「出世だたみ」という。一回でパーフェクト。若さってすごいね。


年齢が入っていても、又舞台に上がる方々でも着せつけもできなければ畳み方も知らぬ男性が一杯いるのに・・・と感心する。
いかにも「ザ・着物姿」は嫌なので洋服感覚で着たい・・と何時も言っている。
何回も着物姿を見せてもらってはいるのだが、彼の姿はこれからの若い着物好きにはお手本とすべきアイテム、満載。

女性の着物姿は色々なところで見る機会もあるかもしれないが若い男性の着物姿は案外見られない。本当に格好いい「着物姿〜ナイスガイ編〜」でした。


    彼の顔を見たい方・・・
      和装組曲の過去のドキュメントに何度か登場してもらってます。
       ・・・見てみたい方・・・探してください・・何枚か写真があるはず。

            ・・・それくらいの労は惜しんではいけない・・・(笑)