和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

着物姿

うちに習いに来ている生徒さん〜二人の着物姿・・・ご披露しますね。

       
      ☆二十代前半の方☆



























着物も帯もお母さんがお嫁に来る時に持ってこられた物とか。
丁度今のこの方の年齢にぴったりの色や柄。

着物の畳み方も勿論だが、足袋の履き方も何も知らぬ状態で来られた。
   
   一回目・・各種小物の名称 着物の畳み方 扱い方
        下着の付け方 襦袢の着方 着物の着方
   二回目・・帯の扱い方 帯の締め方 小物の処理の仕方
   三回目・・襦袢・着物・帯  みんな一人でする

  で・・・この日が三回目。
着物も帯もどこからよどこまで全部自分で。














こう書くと「三回で着れるんだ〜」と人は思う・・はず。
「はい!!」三回で帯まで手結びで着られることに嘘はない。
ただし・・・である。

ただし・・・これが問題。
私も一生懸命教えはするが、本人も一生懸命努力することが必要。
その日に習ったことは必ず復習する。
次のおけいこ日までに2〜3回はやってみる。

これが簡単で簡単ではない。
「えーーーっ??無理!!」
と言う人は何カ月もかけて教えてくれる教室に行くしかない。
習いごとと言うのはお金をかけるか、年月をかけるか、自分の労力をかけるか・・・
どれかしかない。時にはお金も時間も労力も・・・皆必要な時もある。
この方は三回でマスター。

「思っていたほど難しくはないですね」と本人の弁。
若い方が実に綺麗に着られている。
勿論鏡など一切見ていない。
大したものである。

友禅調の小紋柄の着物に名古屋帯。帯は氷割風の地に重ね八つ橋、そこに桔梗と菊の文様。
お母さんの着物や帯もこれで生きるというもの・・・良かったね。
本人の了解をとり載せました。

もう一人の方・・・

      
        ☆三十代の方☆

子供さんの卒園式と入学式のとき、着物を着たいと習いに来られた方。
「何もわからないのですが・・大丈夫でしょうか??」と心配顔。
繊細でちょっと心配症は私と一緒。親近感がわく。
そうやってお母さんから着なくなった着物を頂いて挑戦したのが今年春ごろ。

とっても綺麗に着られるようになったさあ〜・・勿論。
卒園式も入学式もほぼパーフェクト。
美しい写真もメールで頂いた。

で先日、今度は七五三に着物を着るのに久しぶりなのでちょっと復習したい〜・・・と。











































久しぶりなのにも関わらずものすごく上手。
多分家で少し練習されていたに違いない。
凄いね、一言もそういうことを言わない。
謙虚で静かな性格、これも私と一緒さ(笑)。
何も言うことはないというと本人「ほっ〜」と。
なにせセレモニー関係には家紋の入ったものを着るので案外緊張する。
この日は一つ紋の無地に刺繍の袋帯
どちらもお母さんの物を頂いたとか。

その時の帯をちょっと皆さんにおみせしましょ。



























袋帯。相良刺繍のよう。勿論かなり高価。
「凄い帯ね、高いぞ〜」というと
「だからお母さんはこの帯をくれる時、おしそうにしたのね、納得」と。
かなりお母さんは着物愛好家の方と見た。

タンスに入れておいても着物も帯もないも同然。
使って初めて生きると言う物。
ネットで今風のちゃらっとしたものもお手軽価格で・・も悪くはないが、まずはあるものを使おう。せっかくあるのだから。
眠っているものに風を通そう。

それはさておき、今日は柄行きの話。




この八角形と四角形を繋いでいく柄・・・蜀江・・という。
蜀は三世紀ごろ中国で栄えた国でその蜀の国の首都に流れていた川を「蜀江」という。
そこは赤染めに優れ赤い地色の錦を生産することで知られていたとか。
ここで織られていた錦に見られる文様を蜀江文といった。
法隆寺には唐代に織られたとされる、双鳳連珠円文、亀甲花唐草文、格子連珠文の三種類の蜀江錦がつたえられているのだが、
現在ではこのような八角形と四角形の連続模様を「蜀江文」というのが一般的。
正倉院裂としてあるのだ。

一方、この形式化された模様は室町時代、明から伝わったとされこちらは名物裂として珍重されている。
こういったややこしいどちらに属すか迷うようなものがままある。
色合いと中に入れられる文様の格で決めるしかないと思っている。
八角形や四角形の中に牡丹唐草、雲竜文、唐花、花菱など様々な模様が配されている。
京都西陣ではそれを模した蜀江錦が織られているのだが、この方のように刺繍で表現したものは初めて見た。
何度か生徒さんで蜀江文の錦帯を持ってこられた方々がいるにはいたのだが、今まで撮影の機会を逃していた私。
いつかこの図柄をお絵かき帳で書かなければ・・・とある意味憂鬱に思っていたのに・・・
よかったわあ〜・・・こんな複雑な図柄を書かなくてよくなって。

とても見事な刺繍であるのと、以前からこの蜀江文に触れておきたかったので、無理にお願いして写真を撮らせてもらったというわけ。
この方の御家族は昨日七五三を終えられた。で・・今日のアップとなった。
このブログを書いているときにその方からメール。

コピーしてここに御披露するね。

   『おはようございます。
    先日は本当にありがとうございました。
    昨日、無事七五三のお参りを終える事ができました。

    前日に先生から頂いた沢山のパワーと素敵なお話のおかげで、
    本当に楽しく誇らしく、1日を過ごす事ができました。
     親子ともに常に笑顔でした。

    将来娘が自分の子供の七五三にもこの帯してくれたらいいなあ、
    などと思いますが、
    帯や着物はさておき、先生のお話のように、装うことに心をこめられ、
    本当に大切なものを見極められる人になってほしいなと願いました。
    もう少し大きくなったら、昨日の写真を見せながら
   、先生にそんな風に習いながら着付けた話をしたいと思います。
    本当にありがとうございました。』
 

と。親子の写真が添付されていましたが、子供さんの写っている写真なのでここではお見せしませんね。


  今日は着物姿を二名御披露・・・〜・・参考までに。