和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

水仙   

            「水仙の香」

歳寒花として馥郁(ふくいく)たる香りを放つ花の第一として水仙があげられる。
ギリシャ神話で水仙は水面に映る自分の顔に自己陶酔して溺死したナルキッソスの化身とされる。ナルシシズムはそこから生まれたとか。

ギリシャ原産の水仙が、シルクロードを通り日本に来た時代ははっきりしないが、江戸時代以降には水仙の模様の着物がすでにあつたともいわれるが、着物柄としてはっきり残っているのはさらに後の時代とのこと。着物には瑞花としてお正月、新春の柄として使われたのはずっと後のことと思った方がよさそうだ。

水仙の「仙」という字が好まれ、厳寒に凛として咲く気品ある姿が仙境の花としてふさわしいとされたに違いない。又水を得て生き生きとよみがえる「水鮮」の花から「水仙」になったという説も。

今日は沢山の水仙を知り合いが持ってきてくれた。
今日開いたこの水仙のこの香りを早く届けたくて・・・・と言う。

























降りしきる冷たいみぞれ交じりの中、畑へいって積もる雪を掻きわけて取ってきてくれたのだ。
早速、仏壇や仕事場のあちこちに生ける。
部屋中、水仙の香〜。

ふっと思う。
一言も触れはしなかったが、明日の命日をきっと覚えていてくれたに違いない。
ありがとう・・・感謝。