和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

花札の花鳥風月

花札はカルタの一種で日本の花鳥風月が描かれている。
子供の時(大人になっても・・)これで遊んだ方も多いのでは?

今日は花札の絵柄の中に着物の柄をサラリとみていきたい。
(長くならないよう・・・余談はせぬ・・決心)


一月


松に立鶴(たちづる)。
鶴は一羽の相手と一生を過ごすことから結婚式にはとても良い柄。
松の上にある黄色の小さな模様は新芽。
老松、五葉松、笠松などは別として案外新芽がついている。
縁起の良さから。


二月


梅に鶯。
勿論めでたいのではあるがこんな柄は一月か二月に限定されるので着物では通年使えるように 菊、桜、紅葉など色々な花が書かれているはず。
シンプルに梅に鶯なら、染め帯として使うとお洒落かも。


三月


桜。祝幕が張られているので花の宴であろう。
日本人のもっとも好きな花かと。
皆しっているのでさっさと・・・進む。




四月

四月一日」は昔は綿入れの着物を脱いだ日。
それで「四月一日」さんと書いて「わたぬき」さんと読む。
実際に姓として使われている。


藤。「なり下がる」という言葉を連想させるとして屋敷内に植えるのを避ける人もいる。華麗な花房が稲穂に似ているところから豊作を願う花。平安時代藤原氏全盛のころ高い評価を受け、有職文様となる。


五月


菖蒲と書いてあやめ。
「菖蒲」は「勝負」に通じるとして武士に好まれ馬具、武具に使用。
芳香と魔よけの植物。葉が刀に似ていることから紋にも使われた。
季節感を出す場合は単独で使い、流水、御所解文様の中に使う。


六月


牡丹(ぼたん)。中国では百花の長。日本には奈良時代伝わるが、最初は薬用。中国では「牡丹と蝶」は荘子の夢から生まれたとか。蟹牡丹や牡丹唐草もある。
能「石橋(しゃっきょう)」をモチーフにした唐獅子牡丹も。
「唐獅子」という言葉自体は、日本人が「ライオン」を見たことがないので「唐の獅子」から「唐獅子」となったとか。ちなみに「いのしし」の肉を使う鍋をそこから「牡丹鍋」と。


七月


秋の七草のひとつ萩。六月から九月ごろまで咲くが花札では七月に。着物では花房と葉と枝をセットにして書いてあるものが多い。他の秋草と一緒に秋草模様としても。葉が三つの小葉に分かれていて葉が可愛い。
何故イノシシが書かれているのかは知らぬ。
六月の牡丹のところから逃げ出したか・・・


八月



山と月、山と雁・・・と思うが実際は山に生えている薄(すすき)が書かれている。(分かりづらいが黒い部分に薄が書かれている)
着物の柄ではロッククライミングのような険しく挑むような山はない。
穏やかな丸い遠景として書かれていてふもとはぼかす。
「遠山(とおやま)」という。
雁は一羽で書かれるものより連なって書かれるものが圧倒的。
連なって飛ぶものを「雁行文様」(がんこうもんよう)という。
中国では良い知らせを持ってくる鳥とされる。群れをなして飛ぶことから「絆」の象徴とされ一族の結束のために家紋としていた武将もいた。柴田勝家は「二つ雁金」の紋。

ちなみに「月見里」さんで「やまなし」さん、「小鳥遊」さんで「たかなし」さん、という姓。
この八月の花札で思い出した。


九月


陰陽五行では「奇数」が「陽」の字。
「奇数」の一番多いのが「九」の字。
九月九日は「重陽節句」はそこから。
菊の群生地から流れ出た水を飲んで延命したという「菊水」伝説や
菊の露が滴った水を飲んで長命をうけた能「菊慈童」などいわれ多い。
実際菊には抗菌作用があり、ナマスとしてや酒に浮かべて飲む。
重陽節句をすぎてもなお咲き誇る菊を「残菊」という。
「菊」は特別で、菊だけの着物文様でも秋だけでなく一年中使用できるとされる。


十月
   ・・・すぐおわるはずが案外かかり少々疲れ気味。
          読むほうはもっとだろう。さっさと済ませよう・・。


紅葉の赤や黄色を取り込むことによって夏に疲れた体に生気をとりもどすという中国の思想から平安時代紅葉狩り」が行われたらしい。流水や鹿と組み合わされることが多い。
流水に紅葉を散らした文様を「龍田川」というのは古今集の歌から。

     龍田川(河)紅葉乱れて流るめりわたらば錦中やたえなむ


十一月



なぜ十一月が柳なのかは知らぬ。雨や傘、蛙、雀はなんとなくうなずける。
「柳」は春・・と思っていた。
各人・・調べて教えてくだされ。


十二月


桐。「桐」は五月〜六月に花をつける。
しかし、ここでは「ピンからキリまで」の「キリ」と「桐」をかけたのだろう。
上の鳥は「鳳凰」。桐の木に住み竹の実を食べるので・・


書き始める時は勇んでチャッチャッチャーと済ませるつもりが案外時間かかった。
疲れた・・・〜・・・・
自分で始めたこと・・誰も「知らんがな〜」だね。(笑)
「はい、はい、皆自分が悪いのです。承知しています。」

まあ、「十一月の柳」が知らんかったなあ〜
通称「雨ちゃん」といっているけど。。。。


明日から学校が始まる。
お正月気分は今日で終わり・・・だね。